転職という言葉には、若い人たちが新しい仕事に挑戦するイメージがありますが、近年では60代以上の方が転職を考えるケースも増えています。長年のキャリアを積んできた方が、経験や知識を生かし、新しい分野で働くことも可能です。しかも、現代の労働市場には、60代以上の方を積極的に採用する企業も増えています。
しかし、転職を考える上で気になるのが年収です。年齢が上がるにつれて、年収が下がる傾向があるため、転職によって年収が上がる可能性は低いと思われがちです。しかし、実際には年収が上がるケースもあるため、転職を考える際には年収面も重要なポイントになります。
そこで、今回は60代の方が転職を考える際に年収に注目しておくべき点について解説します。具体的には、60代の転職市場の現状や、年収アップのための転職のポイント、そして60代の方が転職活動を行う上で注意すべき点などをご紹介します。これから転職を考える60代の方は、ぜひ参考にしてください。
正社員・男女別平均年収
正社員の年代別・男女別の平均年収をに5歳区切りで、表・グラフにしました。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
15歳~19歳 | 約350万円 | 約300万円 |
20歳~24歳 | 約440万円 | 約380万円 |
25歳~29歳 | 約530万円 | 約460万円 |
30歳~34歳 | 約610万円 | 約530万円 |
35歳~39歳 | 約670万円 | 約570万円 |
40歳~44歳 | 約700万円 | 約600万円 |
45歳~49歳 | 約720万円 | 約600万円 |
50歳~54歳 | 約720万円 | 約600万円 |
55歳~59歳 | 約700万円 | 約580万円 |
60歳~64歳 | 約650万円 | 約540万円 |
65歳以上 | 約510万円 | 約410万円 |
60代・正社員・男女別の平均年収
正社員 男女別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
60~64歳 | 650万円 | 540万円 |
65歳~ | 510万円 | 410万円 |
上の表は、60歳以上で働き給与を得ている人の正社員の年収です。60歳から64歳で男性は650万円、女性は540万円となっています。この調査では、50~54歳をピークに年収は下がっていきます。男性の場合、ピークの720万円と比べると60~64歳は90%、65歳~は70%となっています。
60歳以上の正社員・学歴別の平均年収
最終学歴 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
高卒 | 498万円 | 329万円 |
短大・専門学校 | 497万円 | 329万円 |
大卒 | 663万円 | 443万円 |
大学院卒 | 820万円 | 548万円 |
こちらは最終学歴別の平均年収です。大学院卒の年収が他の学歴と比べて大きく差が出ています。大学院卒は60歳を超えてもなお、800万円を超える年収となっています。医師を始めとする専門職に従事する人が平均を大きく上げる要因になっています。またこの年齢になると正社員として働く方が減ってくることも原因として考えられますが専門職は60歳を超えてもなお正社員として働くことができる人が多いので差が広がってくる傾向になってきます。
60歳を過ぎても働いている人は、現役時代の年収よりは減ってしまいますが、健康で働く意思があり、正社員として働くことができれば年収300万円以上は得られる職場があると考えられます。老後に安心した生活を送るためにも、長く働く選択肢をもつことが大切といえるでしょう。また高齢者になっても雇用形態や学歴によって賃金に差が生じることがしっかり確認できます。
関連記事:学歴のない転職活動のやり方|転職者は学歴を重視されない
60代転職のメリットとデメリット
60代になると、若い人に比べると体力が明らかに衰えてきますが、これまで培った豊富な経験が武器になります。年代ならではのメリットとデメリットを以下に解説します。
デメリット
年齢差別による就職難
高齢者の雇用に関する法律が改正されたことにより、年齢制限による採用は禁止されています。しかし、実際には年齢を理由に採用を断られるケースが多く、高齢者の就職難は依然として深刻な問題であり、また、高齢者の技術や知識が陳腐化しているという偏見も存在し、採用側からの評価が低くなることもあります。
給与面での不利益
高齢者の場合、経験やスキルを持っていることが多いため、高い給与を期待できると思われることがあります。しかし、実際には年齢による差別的な評価や、若手社員との比較によって、給与面での不利益を受けることがあります。また、高齢者の場合、健康状態の悪化や介護の必要性が増すことが多いため、給与面での不利益が深刻化することも出てきます。
働く理由も気になりますよね。働くことにやりがいと求めているのか、働かないと食べていけないのか・・
あまり多くない年金にも原因があるようには思います。
身体的な負担が大きい職種が多い
高齢者の場合、身体的な負担が大きい職種に就くことが多くなります。例えば、介護職や清掃員などは、長時間の立ち仕事や重い物の運搬などが必要になり、高齢者にとっては負担が大きくなります。また、高齢者の場合、急激な体力の低下や病気による体調不良が起こりやすいため、身体的な負担が大きい職種に就くことは、健康面でのリスクが高いと言えます。
高齢者の就職難は年齢差別や給与面での不利益を受けてしまうことがあります。60代転職で年収アップを狙うためには、自分の強みを活かした転職や新しい分野に挑戦する転職、転職エージェントの活用、自己アピールが重要になってきます。
軽度の認知症の方が清掃作業をされているケースも結構あります。
健康の大切さを実感する年代ですね
メリット
経験やスキルを活かせる
60代の方は転職することによって、自分が持っている経験やスキルを活かすことができます。これまでの職歴や専門知識を新しい職場で活かすことで、自分自身の成長につながります。また、自分が得意とする分野で働くことで、仕事にやりがいを感じることができます。
いくつになっても挑戦です!
そうか・・年をとっても挑戦し続けることが大切なのね。
新しい環境でのチャレンジができる
転職することで、新しい環境でのチャレンジができます。新しい職場での業務や人間関係に慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、その過程で自分自身の成長を感じることができます。また、新しい職場での経験や知識を得ることで、自分自身のスキルアップにつながります。
おごることなくコミュ力を発揮したいですね!
年齢を活かしたポジションがある
転職することで、年齢を活かしたポジションがある場合があります。これまでの経験や知識を活かして、リーダーシップを発揮することができるポジションや、経験豊富な人材として活躍できるポジションがあるかもしれません。また、年齢を活かしたポジションに就くことで、自分自身の自信につながることができます。
60代転職で年収アップを狙う方法
60代になっても転職を考える人は少なくありません。しかし、年齢が高くなるにつれて、転職先を選ぶ際にはいくつかのポイントに注意する必要があります。
転職先の選び方
- 経験を重視している企業を選ぶ
- 自分のスキルや経験を活かせる職種を選ぶ
- 業界や職種によっては需要が高く、高収入が期待できる
まず、転職先の選び方ですが、経験を重視している企業を選ぶことが大切です。年齢を理由に採用を断られる企業がある一方、これまでの経験を評価して採用に積極的な企業を選ぶことが必要です。また、自分のスキルや経験を活かせる職種を選ぶことも重要です。自分が得意とする分野であれば、即戦力として期待されることがあります。
さらに、業界や職種によっては需要が高く、高収入が期待できる場合があります。例えば、IT業界や医療業界などは需要が高く、高収入が期待できる場合があります。ただし、新しい分野に転職する場合は、学習コストがかかることもあるため、注意が必要です。
自己アピールの方法
- 履歴書や職務経歴書に自分の強みをアピールする
- 面接で自分の経験やスキルを具体的に説明する
- 自分の意欲ややる気をアピールする
次に、自己アピールの方法ですが、履歴書や職務経歴書に自分の強みをアピールすることが大切です。自分がどのようなスキルや経験を持っているかを具体的に記載し、採用担当者にアピールすることが必要です。また、面接では自分の経験やスキルを具体的に説明することが大切です。自分がどのような業務を担当し、どのような成果を出したかを具体的に説明することで、採用担当者に自分の実力をアピールすることができます。
さらに、自分の意欲ややる気をアピールすることも大切です。60代であっても、新しいことに挑戦する意欲があることをアピールすることで、採用担当者に自分の意欲を伝えることができます。また、自分がどのような目標を持っているかを具体的に説明することで、採用担当者に自分のやる気をアピールすることができます。
関連記事:転職に役立つ!「職務経歴書の書き方」で際立つ・8つの方法
以上のように、60代転職で年収アップを狙うためには、年齢を重視していない企業を選び、自分のスキルや経験を活かせる職種を選び、自己アピールをしっかりと行うことが必要です。また、新しいことに挑戦する意欲を持ち、自分の目標を明確にすることも大切です。
60代転職で年収アップを狙う前に準備すべきこと
健康管理
- 身体的な負担が大きい職種を選ぶ場合は、健康管理に気を配る
- 定期的な健康診断を受ける
- 適度な運動や食生活の改善を心がける
60代になると、身体的な負担が大きい職種を選ぶことは避けられない場合があります。そのため、健康管理には十分な注意が必要です。定期的な健康診断を受け、病気や体調不良に早期に気づくことが大切です。また、適度な運動や食生活の改善を心がけ、健康的な生活を送ることが必要です。
年齢を重ねると健康の大切さを実感します。
自分の体を相談しながらメンテナンスは必須ですよね。
年を重ねると持病がない人のほうが珍しいかもしれません。
スキルアップ
- 自分のスキルや知識をアップデートする
- 資格取得や研修に参加する
- 新しい技術やツールについて学ぶ自分の
60代で転職を考える場合、自分のスキルや知識をアップデートすることが必要です。資格取得や研修に参加することで、最新の知識や技術を身につけることができます。また、新しい技術やツールについて学ぶことで、自分のスキルをアップさせることができます。
生涯学習。モチベーションが高い人はこの言葉の大切さを実感するはずです。仕事を辞めて学びを止めると老化が一気に進む方もいらっしゃいます。
人脈作り
- 転職先を探す際に、人脈を活用する
- 業界のイベントやセミナーに参加する
- SNSなどを活用して、新しい人脈を作る
転職先を探す際には、人脈を活用することが大切です。業界のイベントやセミナーに参加することで、同じ業界の人たちと出会い、新しい人脈を作ることができます。また、SNSなどを活用して、オンライン上での人脈作りも重要です。自分の経験やスキルをアピールし、転職先を見つけるための情報収集に役立てましょう。
これまで、培ってきた人脈に加えて、たくさんの人と出会えることが人生の財産です。
キャリアカウンセリング
60代で転職を考える場合、キャリアカウンセリングを受けることも有効です。キャリアカウンセリングでは、自分のスキルや経験を分析し、転職先を見つけるためのアドバイスを受けることができます。また、自分自身のキャリアプランを見直すことで、今後のキャリアアップにつなげることができます。キャリアカウンセリングを受けることで、自分自身の強みを見つけ、転職先を見つけるための自信をつけることができます。
60代転職で年収アップを狙うための成功事例
近年、高齢者の就業率が上昇している中、60代でも転職をする人が増えています。その中でも、年収アップを狙うために転職をする人も多くいます。ここでは、60代転職で年収アップを狙うための成功事例を紹介します。
自分の強みを活かした転職
60代になると、長年の経験やスキルが蓄積されています。そのため、自分の強みを活かした転職が有効です。例えば、過去に経験した業界や職種でのスキルを活かして、同じ分野の企業に転職することで、年収アップが期待できます。
新しい分野に挑戦する転職
一方で、新しい分野に挑戦する転職も有効です。60代でも、新しいことに挑戦することで、自分の可能性を広げることができます。例えば、ITや医療など、今後需要が高まる分野に転職することで、年収アップが期待できます。
転職エージェントの活用
60代転職で年収アップを狙うためには、転職エージェントの活用が有効です。転職エージェントは、求人情報を収集し、自分に合った求人を紹介してくれます。また、転職エージェントは、自分の強みや希望条件を把握してくれるため、自分に合った転職先を見つけることができます。
自己アピールの重要性
60代転職で年収アップを狙うためには、自己アピールが重要です。自分の強みやスキルをアピールすることで、企業からの評価が高まり、年収アップにつながります。自己アピールの方法としては、履歴書や面接での説明、自分のブログやSNSでの発信などがあります。
以上、60代転職で年収アップを狙うための成功事例を紹介しました。自分の強みを活かした転職や新しい分野に挑戦する転職、転職エージェントの活用、自己アピールの重要性など、様々な方法があります。自分に合った方法を選び、年収アップを目指しましょう。
まとめ
60代の方が転職を考える際には、年収面にも注意を払うことが重要です。年齢が上がるにつれて年収が下がる傾向があるため、転職によって年収が上がる可能性は低いと思われがちですが、実際には年収アップのチャンスもあります。
年収アップを狙うためには、まずは転職市場の現状を把握し、求められるスキルや知識を身につけることが重要です。また、転職エージェントを利用したり、自己PRを充実させることも有効な手段です。さらに、60代の方が転職活動を行う上で注意すべき点として、健康状態やライフスタイルに合わせた職場選びが挙げられます。
60代になっても諦めずに、新しい仕事に挑戦することは可能です。自分自身の価値を見出し、自信を持って転職活動に臨むことが重要です。年齢や経験を武器に、新しいキャリアを築くチャンスがあることを忘れずに、自分に合った転職先を見つけましょう。
何歳になっても行動力がものを言います。考えているだけでは状況は変わりません。まずは行動してから考えるほうが良い方向は開けます。
現状を変えるには行動しかありません。行動できるあなたの活動を応援します。
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